学術大会 ポスター最優秀賞

  先日の、日本薬剤師会学術大会はコロナ禍の中、北海道にてハイブリッド開催でした。ポスター演題は全てwebでの掲載になったのですが、それでも250題以上の登録でした。その中で、私が会長を務める朝霞地区で行ったポリファーマシに関する事業を報告したポスターが、最優秀賞をいただくという快挙を達成しました。


 この事業は平成30年度のパイロット事業から始まったのですが、昨年度と今年度の2年間は助成金もいただけることになり、学術大会での事業報告をひとつの目標としました。

「薬剤師会、保険者、医師会、大学が共同して行った患者のための相談事業」という演題で、医薬品適正使用 ポリファーマシー に分類されました。

そして、なんと昨年度はポスター部門の優秀賞、今年度は最優秀賞に輝くという素晴らしいご褒美をいただきました。この3年間、地区薬剤師会は総力でぶつかりました。幸いにも、薬剤師会や県からも助成が認められましたが、担当者は、ほぼ手弁当で会議や研修、打ち合わせなどを業務終了後の時間を使って進めた事業でした。


 学会報告をするためには、計画の段階で事前審査を受ける必要もあり、やはり大学の先生方が支えて下さったことは大きいです。東京大学の今井博久先生、城西大学の大嶋繁先生、井上直子先生は、お忙しい時間を割いて度々朝霞の事務局に来て、夜の打ち合わせに参加してくださいました。


 この事業が大きく評価された理由の一つに、医師会と協働という点があります。当朝霞地区は三師会の活動に長い歴史があり、医師や歯科医師ともいろいろな機会で接点があります。顔の見える関係の中で、この事業の意義にも強く賛同いただけました。事業の対象者となるレセプトデータの抽出作業では、最終の決定を医師会、薬剤師会、大学から複数名が参加する、夜間の協議会で行いました。

ポリファーマシーの背景は複雑で、各医師にとっては併用されている処方薬の情報が全く不足していることや、ともすれば他院の受診情報も無いと言うのが現実です。また、高齢化で1人が多くの疾病を抱える中、薬の優先順位を決めることは医師にとっても悩ましい問題のようです。減らすことで起こる有害事象への責任もあり、チームの力で対策すると言う観点は、医師の強い味方と感じていただけたと思います。


 医療費における薬剤費のあり方が問われる中、行政の方々も熱心に関わってくださいました。その中心となった埼玉県保険医療部薬務課の推薦があり、一般社団法人朝霞地区薬剤師会は今年度の薬事団体連合会「団体知事表彰」もいただけることになりました。


コロナ禍で暗い話題ばかりの世の中ですが、


本当に晴れやかな秋の学会シーズンとなりました。